10月8日の土曜日。福島県古殿町(ふるどのまち)にある豊国酒造に地元の家族連れが次々とやって来た。大正時代築の酒蔵を改造したキッチンつきの交流施設が完成し、そのお披露目会が目当てだった。この日はカフェと洋裁のワークショップが催された。
9代目の蔵元、矢内賢征(けんせい)(36)は「酒蔵をとことん開放したい」と意気込む。「kuranoba(クラノバ)」と名前をつけ、ミニ展覧会やテレワークの場としての利用も構想している。
手がける酒が9月の県の鑑評会で1位(純米酒部)になった若手の実力者だ。地域づくりにのめり込むのには理由がある。
面積の8割が森林という林業の町の人口は毎年減り、5千人を切る。矢内は子どものころから町に希望があるとは思えず早稲田大学政経学部に進んだ。
でも、東京でやりたいことは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル